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小児矯正しても後戻りする!?原因と4つの対応策

歯を指さす子どもと母親

矯正治療で動かした歯が元の位置に戻ろうとして動くことを『後戻り』と呼びます

矯正治療をしてせっかくきれいになった歯並びも正しくケアをしないとガタガタに戻ってしまうことがあります。

お金をかけて頑張って通って矯正治療をしたのにきれいな歯並びが失われると悲しいですよね。

そんなことがないように、こちらの記事では小児矯正後に後戻りをする原因4つの対応策を解説していきます。

今からお子様の矯正治療を考えている方や既に矯正治療を始めている方はぜひ参考にしてください

 

【目次】

1、小児矯正しても後戻りする!?その原因とは
2、後戻りを防ぐためのポイント
3、小児矯正だけのお得な特典
4、まとめ

 

1、小児矯正しても後戻りする!?その原因とは

 

後戻りした歯並び

 

せっかく小児矯正をして歯並びが綺麗になったと思っても、矯正治療後の後戻りの力は避けられません

そうなんです。大前提として歯は元の位置に戻ろうとします。

そのため後戻りに抵抗する対策や環境を整えることが後戻りを最小限に抑えるために必要となります。

 

では後戻りの原因となるものは何でしょうか?順番にご紹介します。

①成長による骨格の変化

子どもの顎はおよそ18歳頃まで成長します。上下のバランスが変わると噛み合わせがズレ、歯並びが動きやすくなります。

 

②悪習癖

ここでの悪習癖とは、癖になっている無意識の行動の中で歯並びに悪い影響を与えるもののことを指します。

口呼吸、低位舌、舌突出癖、咬唇癖、頬杖などが挙げられ、歯を押す力がかかってしまいます。

その結果、叢生やすきっ歯、開咬などの悪い歯並びを再発させます。

これは耳鼻科領域の問題と関連することもあります。鼻でうまく呼吸ができないと口呼吸になることなどが代表的なものです。

 

③リテーナーの不徹底

歯科医師の指示より短い時間の装着、紛失や破損、合わなくなったまま放置するといったことがあると、保定効果は薄れてしまい歯は元の位置へ戻ろうとします。

 

④噛み合わせの不安定

二期治療もした方が良いのにもかかわらず小児矯正(一期治療)だけで治療が終了している場合、途中で終了しているため噛み合わせが不安定になります。そのため歯どうしの安定した接触が確立していないことにより歯は動きやすくなります。

 

⑤歯ぎしり・食いしばりなどの力の偏り

日中の食いしばりも原因の一つですが、特に夜間の強い歯ぎしりや食いしばりは歯の動きに強く影響を及ぼします。

 

⑥虫歯や歯周病

虫歯になると穴が空いて噛み合わせが変わったり、隣の歯との接触状態が変わったりするため歯並びに影響が出ます。

また、歯周病になると歯がぐらつくことで周囲の歯並びに影響します。

 

以上のような原因をできる限り排除し、対策することがきれいな歯並びをキープすることにつながります。

では、これらの原因に対して対策するポイントをご紹介しましょう。

2、後戻りを防ぐためのポイント

 

①保定(リテイナー)

矯正装置を外した日からが本番”と言われるほど重要な保定。

先生の指示に従って保定装置の装着を続け、もし合わなくなったらすぐに調整をしてもらいましょう。

毎日きちんと適切に使用していれば合わなくなることはほとんどありません。

※小児矯正の場合は稀に保定装置が必要ないこともありますが、歯科医師より指示がある場合のみとなります。

必要ないケースは小児矯正治療での一部のケースに限ると考えています。子供の頃から矯正を始めても、やはりその状態をキープするには保定装置が必要となることが多いでしょう。

 

②鼻呼吸を整える

鼻づまりは放置せずに必ず耳鼻科を受診する。

アレルギー性鼻炎を始め、鼻詰まりは歯並びにとって天敵です。なぜなら鼻で正しく呼吸できないと慢性的に口で呼吸することにつながり、口が正しい機能を果たせないからです。

歯並びと鼻呼吸は密接な関係があることを改めて知っておきましょう。

 

③MFTで悪習癖を撃退

MFTとは口腔筋機能療法の略称です。

悪習癖を取り除いて習慣化する訓練のことをMFTと呼び、矯正治療と並行して行う必要があります。

例えば頬杖・うつ伏せ寝・ガム片側噛みの癖を避けるようにするといった習慣を改めることも大切となります。

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こどもの矯正に欠かせないMFT(口腔筋機能療法)とは?

 

④むし歯管理の徹底

定期検診にきちんと通ってレントゲンなども利用しながら虫歯は小さいうちに必ず治しましょう。

虫歯を放置するほど歯の寿命は下がっていきますし、歯並びも崩れていきます。

現在では3ヶ月に1回のペースで検診にいく方が多くなってきており、それぐらいしないと虫歯の管理や歯周病の管理は難しいとされています。

 

3、小児矯正だけのお得な特典

 

『子どもの頃から矯正をするのと大人になってからするのでは何が違うの?』

『子どもの頃でも大人になってからでも、いつやっても一緒ですよね?』

と言ったご質問を受けることがよくあります。

正解は多くの場合”NO”です。

なぜかというと、こどもの頃に矯正をやっておくと良いことがいくつかあるんです。

代表的な3つの特典をご紹介します。

 

①顎を自然に拡げることで永久歯が萌出するスペースを確保できる

冒頭でもお伝えしましたが、後戻りとは『動かした歯』が『元に戻る』現象のことです

こどもの頃から始める矯正治療は、今から萌出してくる永久歯の大きさを予測したり、萌出する場所を予測したりと前準備ができるという強みがあります。

そこで顎を拡げることで永久歯が萌出する場所を与え、出てきて欲しい場所に誘導することができます。

最終的に矯正力をかけて動かす量を軽減することができるわけです。

 

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矯正で顎をひろげるとは!?こどもの矯正の疑問にお答えします

 

②早い段階で永久歯の適切な位置に配置できる

萌出したばかりの歯は、歯の根っこ(歯根)がまだ完成していません。

歯は萌出してから約5、6年かけて歯根を先の方まで形成していきます。その間は成長過程となりますので、周囲の組織も確立されていない状態と言えます。

また、歯根が完成したとしても周囲の組織が確立された年数が長い分だけ、その状態に戻ろうとする力がかかると言われています。そのため早いうちに矯正治療をしている方が、矯正治療後の状態をキープしやすいと言えるわけです。

 

③口の周りの筋肉が成長段階のためコントロールしやすい

特に幼少期〜高校生の間は身長や体重が著明に増加していくように、顔面の骨格やお口の周りの筋肉や環境も変化していきます

ですから、この時期はお口の周りの環境も完成していません。そのためお口の周りの悪い癖を取り除くのも比較的取り組みやすい時期といえます。

このような理由から、この時期はMFT(口腔筋機能療法)のゴールデンタイムと言えるでしょう。

 

筋肉がどう関係あるの??という疑問を持った方もいらっしゃるかもしれません。そもそも歯というのは、舌に押される力と頬・口唇に押される力の均衡が取れた場所に並ぶと考えられています

悪習癖がある場合、小児期にMFTを実践することで頬・口唇や舌の機能改善を見込めます。

また、それぞれの正しいポジション(特に舌のポジション)を獲得し、咀嚼・発音・嚥下・呼吸時に口腔内の全ての器官をうまく使用できるように訓練することが可能となります。

 

4、まとめ

矯正治療を始める前は「歯並びがどのようになるか」「どの程度痛むか」などが一番気になるでしょうから、実際に矯正治療が終了する頃に後戻りなど治療後のケアについてより考えるようになることが多い印象です、

小児期に矯正治療をすることで後戻りの力ができるだけかからないことは治療終了後の最大のメリットとなりますので、子供の頃から矯正治療を始めることの大きな意義の一つであることは間違いないでしょう。

後戻りのリスクは矯正治療には必ずありますが、原因をしっかり理解してうまく対処すれば最小限におさえることができます。

こどものうちに矯正を始めるのは大変ですが、長い目で見るとこのようなメリットもあります。

矯正治療を受ける際には、こういったことにも注意してみてくださいね。

監修者情報

2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業

2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了

2017年 日本矯正歯科学会認定医取得

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