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インプラントやらなきゃ良かった!?後悔しないために

治療をしてもずっと違和感や痛みが続く歯がある

歯を抜かないといけないと言われた

こんなお悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?

歯を抜かないといけないという状況になると、歯を抜いた後のことを考えなければいけません。

歯を抜いてインプラントにするのが一番良いでしょう

インプラントが一番しっかり噛めるようになりますよ

こういった説明を受けることは多いでしょうが、インプラントのことがよくわからず不安になる方が大半だと思います。

この記事では、インプラント治療についてや後悔しないために知っておくことをお伝えします。

【目次】

  1. インプラント治療について
  2. インプラント治療をして後悔したこと
  3. 後悔しないために知っておくべきこと
  4. まとめ

 

1.インプラント治療について

まずはインプラント治療の構造について簡単に解説します。

インプラントとは、チタン製の人工歯根のことやその被せ物を含めたものを一般的に指します。

基本的に2つもしくは3つの構造になっており、被せ物の部分は歯科用のセメントやスクリューにて固定をしているため実際に歯と同じように機能させることができます。インプラントを安定して使用するためには、歯根部にあたるフィクスチャー(図で骨に埋まっている金属部分)と呼ばれる部分が骨としっかり結合することがまず必要となります。

 

(インプラントのメリット)

  • しっかりと固定するため、噛む機能を本来の歯のように回復させることができる
  • 異物感がほとんどなく、見た目もきれい

(インプラントのデメリット)

  • 手術が必要
  • 高額な治療となる(幅はありますが1本で30〜50万円程度)

インプラント治療は周りの歯に頼ることなく、独立して歯と似たような構造を作ることができる治療法であることも特徴です。

治療期間は3〜6ヶ月要することが多く、治療方法や部位によってはもう少し期間がかかることがあります。

また、インプラント治療が終了した後もメインテナンスは必須であり、インプラント自体に破損などがないかと周りの骨や歯肉の状態をしっかりと管理していく必要があります。

 

2.インプラント治療をして後悔したこと

実際にインプラント治療を経験し満足される方が多い一方で、後悔される方も一定数いらっしゃいます。

では、どのような後悔があるのか順番にご紹介します。

 

①インプラントの周りが腫れてきた

これは、インプラント周囲炎が生じている状態です。インプラント周りの歯肉から出血や膿が出てきて炎症が骨にまで及んでいる状態を示します。わかりやすく言えば、本来の歯が歯周病になっている状態とほとんど同じと考えて良いでしょう。

このような状態になると治療後の痛みにつながるケースもありますが、多少の出血や膿だけでは痛みを伴わないこともあるため注意が必要です。

また、天然の歯に比べるとインプラントはどうしても炎症に対する抵抗力が低いため、インプラント周囲炎にならないように定期的なメインテナンスや清掃状態の確認が必要不可欠となります。

 

②痛みを感じる

痛みを感じる場合に『手術中、手術後に痛みを感じた』というケースと、『治療終了後に痛みを感じた』というケースの2通りあります。

 

(手術中、手術後に痛みを感じた)

インプラントの埋入手術は基本的に局所麻酔のみで行われることが多いです。恐怖心を和らげる目的から患者様の要望に応じて、鎮静麻酔下や全身麻酔下で行うこともあります。

基本的に局所麻酔が効いていれば痛みを感じることはありませんが、手術を行っているという恐怖心や普段慣れない治療であることから痛いと感じてしまう方も多いようです。

手術後は治療内容にもよりますが、抜歯のときと侵襲度はほとんどかわらず数日間の痛み止めで十分コントロールできる範囲内です。

 

(治療終了後に痛みを感じた)

治療が終わってから感じる痛みは、ほとんどが被せ物の部分の破損、ネジのゆるみなどが原因です。

こういったトラブルが生じた際には、上部の構造が少なからず揺れてしまうため痛みや違和感を感じます。このような痛みを感じたり何か異変を感じたときは、すぐに確認してもらう方が良いでしょう。

 

 

③見た目が思っていたようにならなかった

中でも『前歯が大きく見える』や『出っ歯に見える』という訴えは多いです。やはり前歯の部分は見た目がとても気になる部分であり、治療自体も一番難しい部位の一つと言えます。

インプラント治療を行う場合は、歯の形はもちろんですが周りの歯肉の形を作ることが非常に難しいと言われています。歯を抜くと骨や歯肉は吸収していくため、以前と同じように歯を作るととても長いような歯になってしまうことがあります。

歯を抜いて数ヶ月経つと周囲の状況が急激に変化するため、インプラント治療を考えている場合は歯を抜く前に一度ご相談されることをオススメします。

 

④人工歯が割れた、外れた

インプラントの人工歯部分が割れたり外れそうになることはよくあります。

特に歯ぎしりや食いしばりが強い方や、固い物を噛む習慣のある方などは注意が必要です。力が過度にかかると当然破損の原因になりますし、人工歯が揺さぶられることによりネジがゆるんでしまい脱離の原因になってしまいます。

もちろんお口の中の環境の変化に伴い噛み合わせの調整も必要ですので、適切な調整と経過観察は必要となります。

 

3.後悔しないために知っておくべきこと

インプラント治療で後悔しないためには、治療を受ける前に以下の4つを確認しましょう。

 

①信頼のできる歯科医院選び

理想は、普段から信頼できるかかりつけの歯科医院を見つけておくことです。もしかかりつけがない方は、しっかりと治療前にカウンセリングを受けることをオススメします。

 

②最新の設備がある歯科医院選び

近年では3Dの技術が歯科においても非常に発展してきています。CTによる骨の形態の把握はもちろん、3Dのシミュレーションを用いてより正確にインプラント手術を行うことができるようになってきました。

こういった設備を持ち合わせている方がより安心・安全な治療を受けられるでしょう。

 

③インプラントに適した全身状態である

インプラント治療は手術を伴う治療であるのと同時に生体との反応で固定を得る治療ですので全身状態は非常に重要となります。

【リスクとなる全身状態(口腔内状態)の代表的なもの】

  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 骨粗しょう症
  • 脳血管疾患
  • 自己免疫疾患
  • 歯周病
  • 過度な歯ぎしりがある

上記に当てはまる方はリスクがあるため十分にコントロール・対策した上で慎重に治療を行うか、治療を回避することとなります。

 

④定期的なメインテナンスに通う

インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病と同じような状態(インプラント周囲炎)にはかかってしまいます。

そのためご自身の歯以上にメインテナンスが重要となります。3〜4ヶ月毎の定期的なメインテナンスでインプラントに変化がないかの確認はもちろん、周囲の歯の状態を保つことがインプラントを長持ちさせる秘訣となります。

 

.まとめ

ひと昔前まではインプラントに関するトラブルや事故も話題にあがることがありましたが、最近は3Dで骨の状態がわかるCTの撮影や3Dシミュレーションソフト、あるいは手術時に使うガイドシステムの普及などによりかなり安全に治療を行うことができるようになりました。

当院でも3Dのシミュレーションはもちろん、ガイドシステムを全ての症例に使用しております。

高額な治療であり手術に対する怖さがある一方で、他の歯をしっかり守るためにも非常に有効な治療方法であることは疑う余地もありません。特に近年ではインプラントの形などもある程度統一されてきており、インプラント自体の寿命も延びてきている印象です。

インプラント治療のメリットやデメリットなど説明を十分に受けた上で、信頼できると思った歯科医院・先生のもとで治療を受けられることが一番大切と言えるでしょう。

 

監修者情報

2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業

2022年 しげた歯科・矯正歯科開業

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