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歯科コラム
MI ペーストとは?フッ素との効果の違いは?
歯磨きを丁寧にしているのに虫歯になって困っている方に、オススメの口腔ケアグッズを一つご紹介します。
歯磨き粉で磨いた後に+αで歯をケアするアイテムです。
それは『MIペースト』というもの。
歯磨き粉や含嗽剤だけでは心配で、もっと歯を大切にしたい方に最適のケアグッズです。
こちらの記事では、虫歯のメカニズムからなぜ歯磨き粉やMIペーストが有効なのかについて解説していきます。
【目次】
1.MIペーストとは?フッ素との効果の違いは?
MIペーストは、フッ素を含んでおらず、ミネラル成分であるカルシウムやリン、虫歯抑制成分であるCPP-ACPという成分を主成分としています。
まずはそれぞれの成分についてみていきましょう。
【カルシウム・リン】
歯の表面が脱灰して弱っている状態に対して、ミネラル成分であるカルシウムイオンやリン酸イオンを取り込むことにより、歯は再石灰化といって元の健全な状態に戻ろうとします。この結晶成分をハイドロキシアパタイトといい、カルシウムイオンやリン酸イオンを主成分として構成されており、歯のエナメル質の95%以上はこの結晶成分で構成されています。
【CPP-ACP】
ガゼインホスホペプチドー非結晶性リン酸カルシウムのことで、牛乳由来タンパク質です。
世界各国の研究により、以下のような効果が示されています。
①歯の脱灰抑制
②再石灰化
③耐酸性を向上する
以上のような性質により、簡単に言うと歯を虫歯から守ってくれ、さらに丈夫な歯を作ってくれる効果があります。
ただし牛乳由来のものであるため、牛乳アレルギーの方に対しては使用できませんので注意が必要です。
【フッ素の効果について】
MIペーストにはフッ素が含まれていませんが、歯磨き粉などでフッ素成分を取り込むことができます。
フッ素は歯のエナメル質にあるハイドロキシアパタイトに作用しフルオロアパタイトという成分に変化させ、酸への耐性を向上させてくれます。カルシウムやリンと同様に、歯を守る作用があるといえます。
詳しくは当院の関連記事をご覧ください。
ここで、脱灰・再石灰化・耐酸性って何?と思われた方も多いかと思いますので、どのように虫歯を守ってくれているのか虫歯のメカニズムからそれぞれの効果を次項にて解説していきます。
2.虫歯になる理由(脱灰と再石灰化)
ご存知の方も多いミュータンス菌に代表される虫歯の原因菌は、糖分を好み分解することで酸を産生します。
酸が産生されると歯の表面にあるハイドロキシアパタイトという構造が破壊され脱灰という現象が起こります。この脱灰状態が続くと歯の構造が破壊され虫歯になります。
上の図のように歯の表面が破壊され重要な成分が逃げていくため、カルシウムやリンを再度取り込んで歯を強い状態に戻す作用があります。これを再石灰化と言います。
再石灰化が進むことで酸に抵抗する構造ができ(耐酸性)、虫歯に強い歯になります。
実は、唾液の中にもカルシウムやリンが含まれており、常にこの脱灰から歯を守ろうとする作用が働いています。しっかり再石灰化を促進するためには、歯の表面の歯垢をしっかり落とし、唾液が直接接触する状況を作ることが大切です。
しかし、歯にとって良くないものを続けて食べていたり、歯ブラシが十分にできていない時間が続くと脱灰の状態が続いてしまい、再石灰化が間に合わなくなってしまいます。
また、就寝時は唾液の分泌が抑制されるため、寝ている間は脱灰が一番進みやすいとも言われていますので、寝る前の歯ブラシは非常に重要です。
なかなか忙しくて歯ブラシの時間が取れない方は、再石灰化の時間を意識して定期的に作ることで歯を守ることができますのでぜひ意識してみましょう。
3.MIペーストの使用方法
上記に述べたように、MIペーストには唾液による再石灰化を助けてくれる作用があり、歯を健康な状態に戻す効果があります。
実際の使用方法はこちらです。
①歯ブラシの毛先に対して半分程度を歯磨き粉と同じように出します。歯の表面全体に行き渡らせるように歯ブラシを用いて塗布します。
②その後、30分間は唾がたまってきたら吐き出す程度で、うがいや飲食もしないようにします。
③最後に少量の水で軽くゆすぎます。
これらは、普段通りに歯磨き粉でブラッシングをした後に行います。歯の表面のプラークはきれいに取り除いた状態でなければ、歯の表面に対して効果がでませんのでしっかりと汚れを取ってから行いましょう。
また、含嗽剤を使用している場合は、MIペーストを使用する前に含嗽するようにしてください。
その他、よくある質問をいくつかご紹介します。
Q、いつ使うのが良い?
歯磨きの後に毎回使用するのが最も良いでしょう。就寝前に使用するのが最も効果的ですので、生活スタイルに合わせてご使用ください
Q、子供も使えますか?
子供でも使用可能ですが、うまく吐き出すことができる年齢になってからが良いでしょう。
Q、飲み込んでも大丈夫ですか?
食品にも利用されている成分ばかりなので、体に害はありませんが、あくまで食品ではないので小さいお子様が誤飲したりしないようご注意ください。
Q、一本でどれぐらい持ちますか?
適量の使用で、およそ120〜140回分使用できます。
4.まとめ
『なかなか忙しくてゆっくり歯磨きする時間が取れない』
『元々虫歯のリスクが高いと言われた』
こういった方々には、フッ素やMIペーストといった口腔ケア用品を効果的に用いることで虫歯を防ぐことができます。
歯の質を強くする、あるいは歯の表面の構造を一旦リセットすることを定期的に行うことで虫歯を予防することが可能です。
やはり、虫歯予防には毎日の歯ブラシが基本とはなりますが、虫歯にお困りの方は一度こういったケア用品も試してみてくださいね。