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子どもの矯正歯科コラム
小児矯正の流れと期間【期間を短くする4つのコツも】
お子様の矯正を検討するときに「どれぐらいの期間装置をつける必要があるのか?」という疑問は、料金や治療法と併せて気になる点のうちの一つだと思います。
虫歯の治療などと違い、矯正治療は歯を動かしたり顎の位置を変化させたりするのでどうしても治療期間が長くなってしまいます。
今回は、【小児矯正の流れと治療期間】にスポットを当てて疑問を解決していきます。
【目次】
- 小児矯正の簡単流れ
- 小児矯正の治療期間
- 治療期間を短くする4つのコツ
- まとめ
1、小児矯正の流れ
STEP1)装置使用前
①カウンセリング
②資料採得
③診断
STEP2)装置使用開始
④矯正装置の使用
⑤顎位のコントロール
STEP3)装置使用後
⑥永久歯への交換を待つ期間
⑦II期治療へ
小児矯正を大きく分けると、このような流れになります。
次の項では、この流れに沿って詳しく治療期間も含めて解説していきます。
2、小児矯正の治療期間〜流れに沿って詳しく解説していきます〜
STEP1)装置使用前
①カウンセリング
まずは、カウンセリングからスタートします。
この段階では皆さまのお悩みや気になる点をお伺いし、それぞれに合った治療方法をお伝えします。
②資料採得
口腔内写真、レントゲン、顔貌写真などの資料を集め、いろんな角度や長さを細かく分析します。
③診断
カウンセリング内容と分析結果から、現状の悩みの原因を診断します。
また、診断に対して最適な治療方法について再度細かくお伝えします。
ここまで約1〜2週間程度の期間を要します。
STEP2)装置使用開始
④、⑤矯正装置の使用、顎位のコントロール
診断後それぞれに合った装置を決定し、装置の使用を開始します。
装置の種類や数にもよりますが、約1年半〜3年間装置を使用します。
ここで具体的な症例をみていただきます。
〜症例A〜
上:【治療前】
下:【治療途中経過】
大きい前歯が生えてきてガタガタになりそうとの訴えで来院されたお子様の写真です。
まず、狭い上顎の幅を急速拡大装置で広げ、出っ歯気味の骨格に対してヘッドギア を使用し、改善を図りました。その後、二番目の歯が萌出するのを待ってから上の前歯と奥歯に部分的にマルチブラケット装置をつけることで前歯のガタガタの緩和をはかりました。
ここまでで2年7ヶ月を要しています。骨格の改善に時間を要したことと、2番目の歯の萌出を待つ期間があったため装置の使用期間が長くなっています。
〜症例B〜
上:【治療前】
下:【治療後】
左上の前歯のねじれが気になるので治したいとの訴えで来院されたお子様の写真です。
理想的な位置より前方に位置している奥歯をヘッドギアを利用することで後方へ移動させます。そうすることで他の歯を並べるスペースを作りました。その後、部分的にマルチブラケット装置をつけることで、患者さんの気になっていた前歯のねじれを改善し、また前歯にめり込む力(圧下)を加えることで深い噛み合わせの改善をはかりました。
ここまでで1年4ヶ月を要しています。骨格の改善に要する時間が少なく、歯の位置関係の修正が主な治療となるため、期間が短く済んでいます。そして、訴えが改善され満足されたため1期治療で終了となりました。
それぞれの矯正器具の詳細はこちら↓
⑥永久歯への交換を待つ期間
小児矯正の主な目的は、顎の大きさを歯の大きさに合わせて正常な大きさにコントロールしてあげることです。
この治療が一旦落ち着いた後は、乳歯が永久歯に生えかわるのを待つ期間があります。
この期間は年齢によるため様々ですが、永久歯に全て生え変わる時期はおおよそ12歳頃となります。
⑦Ⅱ期治療へ
永久歯に全てはえかわった状態で再評価を行います。
また、改めて気になる部分はないかも含めて再度カウンセリングを行います。
治療前の訴えが解消され、新たな訴えがない場合はここで矯正治療終了となります。
しかし元々1期治療だけでは終わらないとの診断の場合や、新たに気になる点が出てきた場合はII期治療へと移行します。
3、治療期間を短くする4つのコツ
歯がきれいに並んでいくのが楽しい矯正治療。
しかし、できれば治療期間が短い方がうれしいものです。
決して短いから良いというわけではありませんが、短いに越したことはありません。
しっかりと治療を進めながらも矯正の治療期間を最小限に抑えるコツをお伝えします。
1、予約通りに通院する
当然ですが、指定された間隔通りに通わなければ期間は長くなってしまいます。
予約をキャンセルして治療期間が空いてしまうと、予期せぬ方向に進んでしまったり装置がうまく機能していなかったりなど良いことはありません。皆様のご協力も非常に大事な治療だということをあらかじめ知っておきましょう
2、トラブルがあった場合はすぐに連絡する
痛みがなく小さなトラブルでも、意外と重要なトラブルなこともあります。
何か異変を感じた際には、電話で相談するか直接診てもらうようにしましょう。
3、虫歯に注意する
虫歯になってしまうと状態によっては装置を外す必要が出たり、歯の幅自体が変化することがあります。
分析の数値に影響を及ぼす可能性があるので、矯正装置により磨きにくい環境ではありますが頑張って虫歯を予防しましょう。
4、装置を正しく使用し、装着時間を守る
装置を正しく使用することで効果が最大限発揮されます。
ご両親やお子様本人のご協力が不可欠な部分ですので、負担にならないよう楽しみながら正しく使用しましょう。
4、まとめ
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
今回は小児矯正の治療の流れと治療期間についてお伝えしました。
2例ほど例をあげて解説しましたが、それぞれ顎の状態や歯の状態は全て違いますのでみなさん治療方法は異なってきます。
悩まれている方は、ご自身に近い症例を見て頂いた上でご相談されることをオススメします。
他の症例に関しても以下にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
監修者情報
兵庫県尼崎市の歯医者
しげた歯科・矯正歯科
矯正医:重田 南
2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業
2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了
2017年 日本矯正歯科学会認定医取得