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子どもの矯正歯科コラム
小児矯正の装置を写真付きで紹介【それぞれの特徴と使用方法】
小児矯正を検討中あるいは治療中の保護者向けです。
今回は矯正装置のそれぞれの特徴などをまとめた記事となっています。
「矯正を考えているが、どのような装置を使うのか知らない」
「矯正相談を受けたがいまいち装置のことがわからない」
こんな疑問をお持ちの方はぜひこの機会に矯正で使用する装置を確認してみてください。きっと矯正後に知っておいて良かったと思える内容になっていると思います。
【目次】
- 小児矯正の装置を写真付きで紹介【それぞれの特徴と使用方法】
- 可撤式矯正装置
- 拡大床
- 機能的矯正装置
- プレオルソ
- 固定式矯正装置
- 急速拡大装置
- クワドヘリックス装置
- リンガルアーチ
- パラタルアーチ
- マルチブラケット装置
- 顎外固定装置
- ヘッドギアー
- 上顎前方牽引装置
- 可撤式矯正装置
- まとめ
↓こちらの記事も合わせてご覧いただきますとわかりやすいですのでぜひご覧ください。
小児矯正の装置・器具を紹介【矯正前の不安解消に役立ちます】〜装置が壊れないようにするコツも解説〜
1)小児矯正の装置を写真付きで紹介【それぞれの特徴と使用方法】
① 可撤式矯正装置(取り外しタイプ)
- 拡大床
ネジの力で狭い上あごや下あごの幅を横へ広げるための装置で、1期治療で使います。
真ん中の拡大ネジを、ネジ回しを使って手前から奥へ回すと、装置が横に広がります。回転数は先生により異なることもありますので、指示に従ってください。広げる力は弱いためじっくりと長期間かけて徐々に幅を広げていきます。装着時間は症例によりますが、1日に12〜15時間程度が目安となります。
- 機能的矯正装置
機能的矯正装置は、筋肉の力を利用して上あごと下あごをバランスの良い関係に改善するための装置で、1期治療で使います。
かみ合わせの種類によって装置のデザインが変わります。基本的に寝るときに使用します。
- プレオルソ
やわらかい素材のマウスピースで、舌やくちびるなどのお口の周りの筋肉のバランスを整えるマウスピース型の機能的矯正装置です。
早期の矯正治療が必要な1期治療に入る前に使用することが多いです。舌を前へ突き出す癖(舌癖)がある場合、正しい舌の位置や飲み込み方といったお口や舌のトレーニング(口腔筋機能療法:MFT)を合わせて行います。
② 固定式矯正装置(固定タイプ)
- 急速拡大装置
ネジの力で幅の狭い上あごを横へ広げるための装置です。
上あごの骨の真ん中の割れ目(正中口蓋縫合)は子供ではまだ完全にくっついていないため、真ん中の拡大ネジをネジ回しを使って手前から奥へ回して装置を横に広げることで上あごの骨自体の幅を広げることができます。拡大床やクワドヘリックス装置とは違って、2週間ほどの短期間で急速に拡大を行います。
- クワドヘリックス装置
裏側から歯をおして、歯並びを横に広げる装置です。
バネの力を利用した装置のため、保護者の方の負担はありません。緩やかな力で徐々に広げていきます。上あご自体の幅を広げることはできません。
- リンガルアーチ
リンガルアーチは、歯の裏側に沿って通した針金を左右の奥歯とつなげた装置です。
歯の生えるスペースを確保したり、拡大装置を使った後に広げた幅を維持するために使ったり、必要に応じて細い針金(補助弾線)をつけて位置の悪い歯を動かしたりします。
- パラタルアーチ
上あごにアーチ状の針金をとおして、6歳臼歯とつないで固定する装置です。
拡大装置を使った後に広げた上あごの幅を維持したり、他の装置と組み合わせて歯を動かす固定源とします。
- マルチブラケット装置
歯の表面にブラケットという小さな器具を貼り付け、そこに細い針金を通し、ひとつひとつの歯をならべて、きれいなかみ合わせを作るための装置です。
主に2期治療で使用しますが、1期治療でも部分的に使用することがあります。
③ 顎外固定装置(口の外につけるタイプ)
- ヘッドギアー
上の奥歯を後ろに動かしたり、前に成長しないように固定したり、上あごの前方への成長をおさえるために使う装置です。
上あごが成長しすぎている出っ歯の症例で使用します。お口の中の装置にヘッドギアーの装置の一つであるフェイスボウの内側の部分を差し込み、フェイスボウの外側に首や頭につけたネックパッドやヘッドキャップを装着します。引っ張る方向や力を変えることで上あごの成長を抑えたり大臼歯を後ろへ動かしたりすることができます。基本的に寝るときに使います。
- 上顎前方牽引装置(フェイスマスク)
上あごの成長をうながし、下あごの成長をおさえて、上あごと下あごの関係を調和させるための装置です。
上あごの成長が足りない受け口の症例に使用します。お口の中に何らかの装置を装着し、その装置との間にゴムをかけることで上あごを引っ張ります。基本的に寝るときに使います。
2)まとめ
矯正を検討するにあたって、どのような装置を使うかは非常に重要です。
医院によって使用する装置も違いますので、その装置の特徴をわかった上で矯正を始めるべきでしょう。
しかし、子供は非常に適応能力に優れているため、基本的に使用できない装置はありませんので、心配なさらないで大丈夫です。どんな装置でも数日で慣れてくれることがほとんどです。
最終的には、ご家族皆様が信頼できる先生にお願いするのが一番良いのかもしれませんね。
監修者情報
兵庫県尼崎市の歯医者
しげた歯科・矯正歯科
矯正医:重田 南
2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業
2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了
2017年 日本矯正歯科学会認定医取得