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小児矯正をする5つのメリットと5つのデメリット

5人の子供が手を広げて楽しそうに走っている

“子供の矯正治療を始めるべきか迷っている”

“本当にやる必要があるのだろうか”

“大人になってから始める方が良いのではないか”

そんな悩みを持ったお父様お母様も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、そんな悩みを少しでも解消できるように、

小児矯正をするメリットとデメリットを詳しくお伝えします。

メリットとデメリットを事前に理解しておくことで、お子様の矯正治療を検討する判断材料となり、ご相談される際にも役立ちますので必ずチェックしてください。

【目次】

  1. 小児矯正と成人矯正の違いとは?
  2. 小児矯正をする5つのメリット
  3. 小児矯正をする5つのデメリット
  4. まとめ

1. 小児矯正と成人矯正の違いとは?

“矯正治療は何歳から何歳までできるのでしょう?”

答えは歯に力を加えて動かし歯並びを整えることができる状態であれば、何歳でも矯正治療は可能です。動かす歯が存在し、歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)に問題がなければ高齢になっても治療は可能です。

矯正治療は、子供でも大人でも受けることができる治療です。

では、小児矯正と成人矯正の違いは何でしょう?

大きな違いは、小児矯正では成長発育を利用できるという点です。

成長期のお子様の場合、あごの骨が発育過程にあります。そのため上下のあごの成長を促したり抑えたりすることで骨格を改善することができます。

大人になってからでも歯を矯正することは可能ですが、骨格に大きな問題を抱えている場合(顎変形症など)は外科手術でしか骨格自体を改善することできません。

 

2. 小児矯正をする5つのメリット

1)上あごと下あごの成長をコントロールし、バランスを整えることができる

出っ歯や受け口は、上あごと下あごの位置や成長のバランスがズレていることにより生じていることが多いです。

上あごと下あごの位置関係のズレがあるお子様の場合、あごの成長をコントロールすることにより、上顎と下顎の位置やバランスといった骨格的なズレを改善することが可能となります。

2)虫歯や歯周病になるリスクを軽減することができる

歯が並ぶことで凸凹が減り、歯磨きがしやすくなります

歯磨きがしやすくなることで磨き残しが減り、虫歯や歯周病のリスクが下がります。また、かみ合わせがよくなることで歯に無理な負担をかけることも少なくなり、将来的に多くの歯を残すことにつながります。

3)歯を抜かずに治療ができる可能性がある

あごが小さいお子さまの場合はあごの幅を広げたり、奥歯の位置が前にある場合は後ろに下げたりすることによって、永久歯の並ぶスペースを作ることができます。これにより、健康な歯の抜歯の可能性を減らすことができます。

4)子供のうちに悪習癖を改善することができる

お口によくない癖を早期発見することで、顎の骨や歯並び、噛み合わせの正常な発育を促すことができます。

方法としては筋機能訓練によりお口とその周りの筋肉や舌のトレーニングを行うことで改善します。子どものうちに正しいお口や舌の機能を習得することで、その後の矯正治療の後戻りを予防することができます

5)お口の中の管理ができる

お子様のうちから矯正治療に定期的に来院していただくことで、歯科医師によりお口のチェックを定期的に受けれることから、虫歯の予防や虫歯の治療も早期の段階で行うことができます

また、それぞれのお子さまのお口や装置に合わせた歯磨き指導を受けることで、しっかりとした歯磨きの習慣を身につけることができます。

 

3. 小児矯正をする5つのデメリット

危険のマークの上で男性がこけそうになっている

1)治療期間が長くなる

歯並びによりますが、骨の成長をコントロールし、乳歯から永久歯への生えかわりをチェックしていく必要があるため、ある程度の治療期間がかかってしまうのは事実です。

個人差がありますが下あごの骨の成長は15歳前後まで続くため、受け口傾向のあるお子様の場合などでは特に長い期間の経過観察が必要となることもあります。

2)一時的に見た目が悪くなる

矯正装置の種類によっては器具が見えたり、治療の途中経過で一時的に歯並びが悪い状態になることがあります。

矯正装置が見えることに対しては、カラーゴムを使ってファッションのひとつとして装置が見えることを楽しむのもいいかもしれません。

3)さらに2期治療が必要となることがある

1期治療だけでは細かい歯のねじれやガタガタをガタガタを治すことができないため、2期治療が必要となることが多いです。

また、小児矯正を行っても、想定外の成長があったりで骨格的な問題が解消しなかったケースでは、大人になってから再度矯正治療が必要になってしまうことがあります。特に受け口のお子様は、大人になってから外科矯正が必要となる場合もあります。

4)お子様の協力が必要となる

お子様の矯正治療では、自分で取り外しするタイプの装置を使用することが多いです。

このため、お子様が治療に前向きでない場合は良い結果が出にくくなってしまう場合があります。成人矯正とは違って保護者の方のご意向で矯正治療を行うことが多いため、歯科医師や歯科衛生士だけでなく、ご家族など周囲の方からのサポートでお子様自身のモチベーションを上げてあげることが必要不可欠となります。

5)歯ブラシをしないと虫歯ができてしまう

お口の中に接着剤でつける固定式の矯正装置をつける場合は、歯ブラシを頑張りしっかりケアをしなければ、虫歯になるリスクが高まります。しっかりとブラッシング方法を身につけ、歯磨きを習慣化しましょう。

 

4. まとめ

このように小児矯正をすることにおいて様々なメリットとデメリットがあります。これらを総合的に考慮して小児期から矯正をするかどうかを検討すると良いでしょう。

一番大切なことは、矯正をするご本人がやる気をもって矯正治療に取り組むことだと考えています。なぜなら、上記にも示した通りデメリットは本人のやる気によって解決できるものがほとんどだからです。

ですので私たちは、最終的にはお子様のやる気や意欲を尊重するようにしています。本人を含め周囲のみなさまが矯正治療に向き合うことが成功への近道と言えるでしょう。

 

監修者情報

2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業

2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了

2017年 日本矯正歯科学会認定医取得

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