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大人の矯正歯科コラム
歯の矯正のゴムかけは痛い?サボると効果はどうなる?【動画付】
矯正治療のご相談の際や治療中に『ゴムかけが必要』だと言われたものの、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか?
矯正治療で用いる力は、主にワイヤーによる力であったり、マウスピースによって力をかけることで歯を動かしていく手法が多く取られます。一方であまり知られていないのがゴムによる力を利用するものです。
ゴムをかけることで歯が動くの?と思われるかもしれませんが、歯の並び方によっては矯正治療を進めていくにあたり「ゴムかけ」が非常に重要な役割を果たします。
こちらの記事では、ゴムかけの効果や痛み、またサボるとどうなるかや実際の付け方を動画付きで解説していきます。
【目次】
1.歯の矯正のゴムかけは痛い?サボると効果はどうなる?
矯正治療はゴムを使用することで、本来動かしにくい方向への移動を可能にしたり、移動速度をはやめることが可能となります。
ご本人にやってもらう『ゴムかけ』は、上の歯と下の歯の矯正装置にゴムをかけることを指します。そのため使用するゴムは顎間ゴムとも言われています。
顎間ゴムは、歯を目的の位置に動かし、上下の噛み合わせを良くするために使用するものです。マウスピース矯正、ワイヤー矯正どちらでも使用することがあり、ゴムをかける場所によって動かし方が異なってきます。
ゴムかけの使用開始時は特に痛みを伴うことがあります。
これは矯正のワイヤーをかえたりマウスピースを新しく交換するときと同じで、力のかけ始めは歯や骨に対してとても力が働くためその反応により強い痛みが出ることがあります。
歯がゴムをかけている方向に動いてくると数日かけて徐々に緩和されていくでしょう。
【顎間ゴムの使用頻度】
指示された期間中は取り外すたびに毎回ゴムを交換してもらいながら使用してもらいます。
基本的にゴムは使い捨てとなります。
また、食事や歯磨きの際は外してもらいますが、それ以外の時間はつけていただきます。
ですので寝てる間や話す際にも顎間ゴムは使用していただきます。
【サボるとどうなる?】
①噛み合わせがうまくいかない
顎間ゴムの特徴として、矯正治療の最初から使用することは割と少なく、ある程度並んできた際に噛み合わせを緊密にする目的で使用することが多いです。
そのためきちんと使用しないと、最終の緊密な噛み合わせを得ることができず、そのまま終了してしまうことがあります。
非常に大切な矯正治療の一環ですので、指示に従って使用するようにしましょう。
②治療期間がのびる
ゴムかけをおこなっている期間になかなか歯が想定通りに動かない場合は、それだけ治療期間およびゴムかけの期間はのびてしまいます。必ず指示通りにゴムかけを行うようにしましょう。
また、ゴムかけが痛かったりめんどくさかったりであまり使用できていない場合は正直に伝えましょう。歯科医師はゴムかけの効果を確認しながら微調整を行なっておりますので、正確な判断ができなくなるためです。
2.顎間ゴムの付け方のコツや注意点は?
【顎間ゴムを使用する際の注意点】
①最初は鏡を見ながら丁寧にゴムかけをおこなう。
慣れないうちは場所がわからないのと、かけるコツをつかむまでに少し時間を要します。
しばらく使用していると鏡をみなくても正確かつスピーディーにかけれるようになるでしょう。
②ゴムをしたまま大きな口を開けないようにする。
ゴムが切れたり、装置が壊れたりする原因となります。
ゴムによる引っ張る力にて矯正力をかけますが、過度に力をかけるとゴムあるいは装置が壊れてしまいます。顎間ゴムを使用中は無理な力をかけないように注意しましょう。
③指示されたかけ方と使用時間を守る
初めての場合は顎間ゴムのかけ方を指導します。また食事中や歯磨きの時以外は使用してください。
④ゴムは外すたびに新しいものに交換する。外出先でも予備のゴムを常備しておく。
顎間ゴムはたくさんお渡しされると思いますので、外すたびに新しいものに交換してください。外出先でお食事される場合などは、お食事が終わったあとに新しい顎間ゴムを装着しましょう。
これは劣化によるゴムの弾性が低下し、効果がなくなるのを防ぐためです。
↓実際のゴムかけの動画はこちらをご覧ください
3.トラブルや困ったとき
顎間ゴムを使用するにあたっては、指示通りに使用してもらうことでそれ程大きなトラブルが生じることはないでしょう。
しかし、場合によって生じるトラブルやお困りごとについてご紹介します。
①ゴムをかける装置が脱離あるいは破損してしまった時
ゴムをかけている装置には矯正力が強くかかるため、装置自体が引っ張られて脱離してしまうことがあります。
もちろん指示通りに使用していても起こりうることですので、お気になさらずにすぐ診てもらいましょう。
②顎の関節が痛くなってきた時、口の開け閉めに異常を感じた時
ごく稀にですが、顎の関節の痛みを訴える方がいらっしゃいます。
その際には使用の中止や治療方法の変更を検討しなければなりません。
③ゴムがなくなってしまった時
顎間ゴムは効力を保つために随時新しいゴムに交換が必要です。
たくさんのゴムが渡されるかと思いますが、もしなくなりそうであれば早めに追加のゴムをもらっておくことをオススメします。
ゴムを使用していない期間は、また元の位置に戻ろうとします。絶えず使用しつづけることがポイントです。
4.まとめ
上記で述べたように顎間ゴムは矯正治療において非常に重要な役割を果たします。
最終的な噛み合わせの仕上げでもよく使用されますので、頑張って使用することで緊密な噛み合わせを得ることが可能となります。
ぜひしっかりと知識を持った上でモチベーションを保ちながら顎間ゴムを使用してみてください。
慣れるとそれほど大変な作業ではありませんし、痛みも徐々に緩和されていきますので、最後まで頑張って使用してみてくださいね。
監修者情報

兵庫県尼崎市の歯医者
しげた歯科・矯正歯科
矯正医:重田 南
2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業
2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了
2017年 日本矯正歯科学会認定医取得