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マウスピース矯正はおすすめできない!?失敗を回避する方法

最近ではマウスピースによる矯正治療が流行しており、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正を希望する方が増加している印象です。

見た目が目立たないことや従来のような装置をつけなくて済むことなど、たくさんの魅力を備えているのは確かです。

一方で、マウスピースにより矯正治療をしたけど満足した結果を得られなかったという報告もSNSなどを通じて目にすることも多いですよね。では、なぜそういったことが生じるのでしょうか?

マウスピース矯正は現在では非常に有効な治療方法です。しかし、必ずしも全ての方にマウスピース矯正をおすすめできない理由や失敗談などについて解説していきます。

【目次】

  1. マウスピース矯正はおすすめできない!?失敗を回避する方法
  2. マウスピース矯正の失敗談
  3. 失敗を回避する方法
  4. まとめ

 

1.マウスピース矯正はおすすめできない!?失敗を回避する方法

①1日20時間以上の装着が必要

マウスピースによる矯正治療は基本的に1日20時間以上の装着を必要とします。

装着していない時間が長いと前の状態に後戻りしようとするので、数日前の状態に戻ることもあります。ですので、毎日欠かさずに定められた時間マウスピースを装着することが大切です。

あまりに装着していない期間が長いと、マウスピースがはまらなくなり作り直しになることもあります。

実際に始めてみると結構ストレスになる方も多く、取り外しのないワイヤー矯正にしておけば良かったという声も耳にします。

 

②シミュレーション通りに並ばないことも

マウスピース矯正を希望して相談に行った際、3Dスキャンのシミュレーションソフトを使って治療後の歯並びを3Dで見せてもらうことがあると思います。

自分が求めていた理想的な歯並び、口元を実際に目にすることで、『キレイ!この歯並びになるなら矯正治療しよう!』と思う方も多いでしょう。

しかし、あくまでお口の中の歯、骨の形をスキャンして数分でできるシミュレーションであるため、いろんな要素を抜きにして自動で計画を立てられています。

矯正治療は、2Dレントゲン、CTレントゲン、口腔内の写真や顔の写真・笑ったときの表情など多くの情報を精密に分析して歯を適切な位置・本人が理想とする位置・可能な位置に動かす治療です。

これらの要素を加味した上でしっかりと計画を立て、診断をしてもらえる矯正医に治療をお願いすることが大切です

 

③噛み合わせが悪くなることがある

マウスピース矯正は治療期間中、マウスピースにより歯が噛み合っていない時間がほとんどです。

そのためそれぞれを緊密に噛み合わせる作業が一番難しいとされています。

最終的にゴムかけという作業を患者さん本人にしてもらい、噛ませていくという期間が非常に長くなることがあります。

緊密に上下の歯が噛むようにするには歯科医師の経験と技術が必要となります。

 

 

④期間が想定以上に長くなることがある

マウスピース矯正の場合ご自身で装着してもらうため、サボってしまうとそれだけ治療期間は伸びていきます

また、動かしたい方向によってはなかなか歯が動かないこともあり、結果的にかなりのマウスピースの枚数を要して治療期間は想定より長くなってしまうこともあります。

 

 

⑤苦手な歯並びがある

一番典型的な症例は、抜歯を伴う矯正治療です。抜歯したスペースを埋めるのにどうしても時間がかかってしまう傾向があり、マウスピース矯正はあまり得意とは言えません。

基本的には全ての症例に適応できると言われていますが、ワイヤー矯正の方が早く、楽に終わる症例もたくさんあります

ただしこれに関しては逆のことも言えるため、マウスピースの方が得意な症例もあります。

症例や患者様の希望によって使い分けるのが一番好ましいと言えるでしょう、

 

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2.マウスピース矯正の失敗談

 

①追加でマウスピースが必要になった

マウスピース矯正は治療前の段階で型取りをし、治療終了を見据えて何枚ものマウスピースを発注します。

歯を並べていくにあたり全てが順調にいくケースもありますが、理想通りに動かないことも当然あります。

その場合は、マウスピースの追加発注が必要になります。

追加の費用がかかることはあまりないと思いますが、最初の提示より期間が長くなってしまうことがあるということは覚えておきましょう。

 

②噛み合わせがかわって食事がしづらくなった

マウスピースは上下に分けて着用することで歯列矯正をするため、治療期間の間ほとんど上下の歯が当たらない状態で治療が進みます。そのため噛み合わせをしっかり作るのには経験と技術が必要になると言われています。

よくある事例としては、

歯並びはキレイになったけど噛みにくくなった』というものです。

噛み合わせが合わないまま治療が終了することも多く、最終的には歯科医師にしっかりチェックしてもらいながら微調整が必要になります。

”お家にマウスピースだけ届いて、短期間で終了します”といった矯正治療が最近では見受けられますが、

必ず定期的に歯科医師にチェックしてもらうことは必要かと個人的には思います。

 

 

③正中が合わない

一番前の歯の中央部を『正中』と呼びます。

つまり正中が合わないとは、上下の真ん中が合っていないということを意味します。

上下の真ん中があっていないと左右の噛み合わせのバランスが崩れるおそれがあります。

ただし、正中がずれていてもすでに噛み合わせが緊密に取れている場合(ガタガタのみが気になる成人の方に多いです)もありますので、その場合はあえて正中を改善せずに計画をたてることもあります。

 

 

④虫歯になってしまった

繰り返しにはなりますが、マウスピース矯正は1日に20時間以上の着用が必要です。

その際、虫歯にならないように歯を磨いた後に装着することが望ましいですが、外出先などでどうしても歯磨きができないことはあるかと思います。

唾液には歯の表面を洗い流したり、唾液の成分を取り込むことで虫歯から守る重要な働きがあります。

つまり歯磨きをしないままマウスピースをすると歯に唾液の作用が効きづらくなり、歯に汚れがついたままの状態のため虫歯のリスクが高くなるのです。

ワイヤー矯正と比較すると歯磨きはしやすい反面、こういった意外な落とし穴があるため注意が必要です。

 

⑤歯を何回も削られた

マウスピース矯正をする際、スペースを作るために歯の間を少し削ることがあります。

これはIPRと言って、痛みや審美不良が出ない範囲で歯の表面にあるエナメル質の部分のみ薄く削ることで歯を並びやすくする方法です。

矯正治療を進めていくにあたり、まれにですが当初の予定通りに歯が並ばない場合には削る量を増やさないといけない場合があります

事前に説明があれば安心ですが、急にもう一度歯を削ると言われると少し不安になりますよね?

最初の段階で0.1mm単位で削る量を設定していますが、私どもも治療を進めていくにあたって多少の調整や変更は必要になることがあります。

もしそういったことがあってもおそらく大きな心配はいらないかと思います。

 

 

3.失敗を回避する方法

①信頼できるマウスピースの商品を選ぶ

矯正用のマウスピースと言っても、最近では非常に多くのマウスピースが出回っています。

インビザライン、キレイライン、オーマイティース、クリアコレクトなど、、、挙げればキリがないほど商品が存在し、正直私たちも把握しきれていないほどです。

その中でも世界中で最もシェアがあるのはインビザラインでしょうか。

当院でもインビザラインを使用してマウスピース矯正を行っています。

どれが良い、どれが悪いというわけではありませんが、実績や信頼性、デザインや価格など様々な要素を考慮して選択すると良いでしょう。

ただし、歯科医院にて患者様がマウスピース自体を選択できることは少なく、歯科医院によって矯正で使用するマウスピースはだいたい商品が決められています

そのため矯正を行っている歯科医院と使用しているマウスピースの種類などを総合的に判断して検討する必要があるでしょう。

 

②経験や技術のある矯正医に診てもらう

マウスピース矯正をおこなっている歯科医師は、当然ですが経験や技術が様々です。

まずは正確な検査・診断を行い治療計画を立てることが必要であり、これにはやはり経験が必要となります。

マウスピース矯正は外部に発注してマウスピースを作成するという特性があるため、型取りをすれば外部にほとんど任せての発注が可能となってしまいます。

基本的にはこちらで指示書を作成し発注元に依頼をします。その後、シミュレーション上で何度か修正を加えながら最終的にマウスピースを作成してもらいます。

この過程が一番大事であり、このステップで成功するか否かが決定してしまうと言っても過言ではないでしょう。

そのためには単純に歯を並べるだけではなく、矯正治療に必要な知識や経験が必要となるのです。

 

③ワイヤー矯正でも対応できる先生を選ぶ

マウスピース矯正は近年とても進歩・発展してきており、ほぼ全ての症例に対応してきています。

しかし、症例によってはワイヤー矯正とマウスピース矯正は使い分けるべきだと考えています。なぜならそれぞれ得意・不得意の症例を持ち合わせているからです。

『この歯並びにはワイヤー矯正が向いている』

『ワイヤー矯正を短期間してからマウスピース矯正をするのが最も負担が少ない』

といった症例もあるからです。

また、マウスピース矯正をした後にほんの少し修正を加えたい場合などにワイヤー矯正の技術を用いることで比較的簡単にいろんなケースに対応してもらえるため安心だからです。

 

④虫歯にならないよう歯科衛生士さんの指導をしっかり守る

マウスピース矯正であれば歯磨きはそこまで苦労しないでしょう。

しかし前項でも述べたように1日20時間以上マウスピースをすることで虫歯リスクは格段に上がります

矯正治療期間中、歯のクリーニングや歯磨き指導は必ず受けられることかと思います。指導された通りに完璧にこなそうと思うとそれなりの時間とモチベーションが必要となるでしょう。

それでも矯正治療によって虫歯になればせっかくのキレイな歯並びも台無しになるかもしれません。

矯正治療終了後も元どおりの歯の質をキープするためしっかりと歯科衛生士さんの指導は守りましょう。

 

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4.まとめ

マウスピース矯正をしようと思っても、治療が可能な歯科医院もすごく多いためどこで治療を受けたら良いか迷われる方も多いのではないでしょうか?

  • 先生との相性や信頼度
  • スタッフさんや医院の印象
  • 値段・治療期間
  • 通院のしやすさ

おそらくこういったことが決め手となることでしょう。

マウスピース矯正に向いている条件であればマウスピースを用いた矯正治療は非常に有効な治療法です。

マウスピースによる矯正が向いている歯並びなのか、ご自身の性格もマウスピース矯正治療に向いているのかを含め先生とよくカウンセリングを行う必要があります。

当院ではそれぞれのメリットとデメリットをご説明の上、それぞれの患者様に合った矯正治療方法をご提案しております。

ぜひご自身に合った治療方法を見つけ、納得のいく後悔のない矯正治療を受けられることを願っています。

 

監修者情報

2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業

2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了

2017年 日本矯正歯科学会認定医取得

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