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インプラントとブリッジの違いは?【入れ歯以外の治療法】

『歯をどうしても抜かないといけなくなったけど、どういう治療法が最適なの?』

『入れ歯になるのだけは嫌だ!』

こういった悩みに直面している方に今回のテーマとして歯を失った際の入れ歯以外の治療方法について詳しくご説明します。

主な治療方法はインプラントもしくはブリッジという二つの方法です。

それではインプラントとブリッジの違いや、ご自身に合う治療はどちらなのかを順番に解説していきます。

 

【目次】

  1. インプラントとブリッジの違いは?【入れ歯以外の治療法】
  2. それぞれの特徴
  3. 自分に最適な治療はどっち??
  4. まとめ

 

1.インプラントとブリッジの違いは?【入れ歯以外の治療法】

そもそもインプラントやブリッジという治療方法は、どうしても歯を抜かないといけない状態になったときにその隙間を埋めるために人工的に歯を補う治療手段のことです。

インプラントとブリッジの最も大きな違いは、隣の歯を利用して治療するかどうかでしょう。

必ずしも最適な治療はどちらということはありません。それぞれの特徴を理解し、ご自身に最適な治療を選択することが良いでしょう。

では、どのような違いがあるのでしょうか?

①インプラント

歯が無くなった場所に純チタン製の人工歯根を埋め込みます。そこにオーダーメイドの被せ物をネジ止め、あるいはセメントにて固定する治療方法です。

骨に対して新たな歯根を作っていくため、骨量が十分にあることが必要です。もし骨量が不十分であれば骨造成という人工骨を足す治療も併用する必要があります。

 

②ブリッジ

歯がなくなった前後の歯を削り、2点の土台に対して3本分の歯を作製し固定する治療方法です。もちろん複数本にも適応することは可能です。

治療ができる条件として、前後に歯があり、揺れがなく平行に位置していることなどがあります。

 

2.それぞれの特徴

では、それぞれどのような特徴があるのでしょうか?

みなさまの代表的な疑問別に詳しく解説していきます。

 

治療には手術が必要なの?

インプラント)

外科手術を伴い歯肉の切開や骨に穴をあける必要があります。もちろん麻酔下にて行うため、麻酔をしっかりと効かせてあげれば痛みを伴うことはありません。

外科手術への恐怖心や抵抗がある方にはオススメできません。しかし、近年ではインプラント治療技術も向上しており、3Dシミュレーション下にて手術が可能となりました。そのため安全性は格段にあがっており、安心して治療を受けていただけます。

(ブリッジ)

治療には手術は必要ありませんが、いわゆる被せ物の治療が必要です。周囲の歯を削る必要があり、人や部位によっては歯の麻酔が効きづらいこともあるため、歯を全く削ることのないインプラント治療に対してブリッジ治療の方が必ずしも痛くないということは言い切れないでしょう。

 

●治療はどんな条件ならできる?

(インプラント)

骨の状態や神経・血管の位置により制限をうけます。インプラント治療は埋める位置において骨がしっかりと存在することが必要です。もし骨が不十分な場合は、骨造成手術などを併用することで対応は可能です。インプラントの寿命を考えると周りの歯は健康な状態であることに越した事はありませんが、周囲の歯にあまり影響なく治療自体は可能です。

トラブルが起きるケースはほとんどが血管や神経の損傷によるものです。

CTにより3Dで神経・血管の位置を正確に把握し、それを損傷させないように手術を行う前の入念なプランニングと手術時の治療技術が必要となります。

(ブリッジ)

一体型の被せ物を装着するため、周囲の歯を削った上でそれぞれをある程度平行に保つことが必要です。そのため前後の歯が非常に傾いていたり、歯自体の状態が優れないようであれば治療は困難となります。

一方で歯がない部分における骨量や血管・神経の位置にはほぼ影響を受けません。

 

●噛む力はどれぐらいもどる!?

(インプラント)

骨としっかり結合するため、食べ物を噛み切る力に関しては80%以上が回復すると言われています。

また、骨と結合しているため周囲の歯に対して負担はなく、むしろインプラントにより噛める場所を増やしてあげることで周囲の歯の寿命をあげる効果があると言えるでしょう。

(ブリッジ)

前後の歯で固定されているため、食べ物を噛み切る力に関しては約60%と言われています。

また、前後の歯に対して欠損部分の力も加わります。3本のブリッジとすると、それを2本で支えるため単純計算で1本あたり1.5倍の力がかかります。そのため周囲の歯の寿命をさげてしまうことも多く見受けられます。

 

●10年以上経過しても問題なく噛める?

(インプラント)

インプラント体(人工歯根部)の10年生存率は90%以上と言われています。もちろん骨の状態やメインテナンスの状態にもよりますし、被せ物の破折や脱離など細かいトラブルは生じることがあるため、その都度適切な対応は必要となります。

(ブリッジ)

一方でブリッジの平均寿命は7〜8年と言われています。また、ブリッジが寿命になるということは再度前後の歯を治療しないといけないことになり、やはり前後の歯への負担は大きいと言えるでしょう。

 

●見た目はどっちが良いの?

見た目の自然さは、基本的に被せ物の種類によります。

インプラント・ブリッジともにセラミックなど様々な材料を使用することはできますので、細かい部分に見た目の差はありますがそれほど大差はありません。

 

3.自分に最適な治療はどっち??

ある程度特徴はつかめたけど。結局どの治療方法が良いのだろうか?

いざ自分が治療を受けるとなると悩まれる方がほとんどでしょう。

それぞれの治療に対してどのような方が向いているかを以下にまとめました。

 

①インプラント治療に向いている方

・周りの歯を削りたくない

・周りの歯に負担をかけたくない

・金額や治療期間は多少かかっても良いからしっかり治したい

・将来的にトータルで長持ちしやすい治療を選択したい

・身体的にも健康で、骨の状態も良好である

 

②ブリッジ治療に向いている方

・インプラント治療がどうしても怖い

・周りの歯を削るのにそこまで抵抗がない

・治療期間や費用を抑えたい

・何らかの疾患があり、健康状態がインプラント治療に適さない

 

 

4.まとめ

残念ながら人生の中で歯を抜かないといけない状況に直面することは現状ではほとんどの方かと思います。

徐々に兆候が見られる場合もありますが、突然歯が折れてしまったりなどで抜歯になることもあります。

そんな状況ですぐに相談ができる信頼のおける歯科医院に普段からメインテナンスでかかっておくことは非常に大切と言えるでしょう。なぜなら、先生によって少なからず意見は異なりますし、普段から通院していれば先生もあなたにとってどの治療が最適かを判断しやすいからです。

インプラント治療もブリッジ治療もともに良い治療方法であり、費用に見合った治療であると考えます。

特にインプラント治療は費用の高さと手術への怖さから、安易に受けられる治療ではないかもしれません。しかし、みなさんの天然の歯の価値は1本でおよそ100万円の価値があると言われ、残りの歯を守るためには納得の治療費用とも考えられますよね。

歯が全て揃っているうちにメインテナンスに通い、歯を1本も失わないことが最も大切であることを日々診察の中で実感します。もし、歯を抜かないといけない状況に陥った場合は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

 

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監修者情報

2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業

2022年 しげた歯科・矯正歯科開業

日本口腔インプラント学会所属

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