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乳歯の歯並びが悪い!今のうちに家でできること

お子様の乳歯が生え始めると『きれいに乳歯が生えてきているかな?』『時期は適切なんだろうか?』など標準的な歯の萌出具合なのか気になるものです。

また、ある程度歯が生え揃ってくると歯並びが気になってくる方も多いのではないでしょうか。もし歯並びが悪い場合、乳歯のうちにできることがあれば少しでも何かしてあげたいですよね?

今回は、歯並びが悪くなる原因と乳歯の時期にお家でできることをご紹介・解説していきます。

【目次】

  1. 乳歯の歯並びが悪い!今のうちに家でできるコト
  2. 正常な乳歯の歯並びとは
  3. 歯並びが悪くなる原因と対策
  4. まとめ

 

1.乳歯の歯並びが悪い!今のうちに家でできるコト

永久歯とも共通しますが、乳歯で歯並びが悪い状態は以下のようなものがあげられます。

①ガタガタ・デコボコ(叢生・乱杭歯)

②上顎前突(出っ歯)

③反対咬合(受け口)

④すきっ歯(正中離開)

「④すきっ歯」は必ずしも悪い状態とは限りませんので正常な状態と区別することが重要です。

明らかに上記の傾向を認める子は、早めに歯列矯正の相談にいっておくことをおすすめします。ただし、乳歯列期はある程度きれいに並ぶことが多いため、一般の方が見てわかる歯列不正はそれほど多くないでしょう。もし以上にあげたような傾向が少しあると、永久歯が萌出したときにはより傾向が強くでる可能性があります。

 

永久歯萌出に備えてできることは限られますが、基本的には虫歯にならないように心がけ、悪い習慣をつづけないようにすることが歯並びを今より悪くしないコツとなります。

では、次項では正常な乳歯の歯並びについて、その次の項では悪い歯並びの原因と対策について順番にみていきましょう。

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2.正常な乳歯の歯並びとは

医学的に”良い乳歯の歯並び”とは以下にような条件を満たすものです。

①歯列に適切な空隙がある

乳歯の間に適度な隙間があることで、乳歯よりも大きな永久歯が萌出してきてもスペース不足になりません。これがみなさんにとって一番意外な事実かもしれません。乳歯の時期は、歯がきっちり並んでいるからと言って理想的な歯並びではないということを覚えておいてください。

②前歯の被害が1〜2mm程度または切端咬合である

被害が1〜2mmとは、上の前歯が下の前歯に対して少し覆いかぶさるような状態です。

また、切端咬合とは上と下の歯の先端同士が噛み合う状態のことです。

③乳歯の本数が20本揃っており、上下全ての歯が咬合できている

乳歯は生後6ヶ月ごろから萌出を開始し、2歳半〜3歳にかけて20本全て揃います。

本数が少なかったり(先天性欠損)、2本の歯が癒合していたり(癒合歯)することもあり、そういったことも歯並びに影響を及ぼすこともあります。

 

これら全ての条件を満たしているお子様は現代では数少ないと言えます。この状態でないからといって大きな問題があるわけではありませんので心配しなくても大丈夫です。将来的に永久歯が萌出してきたときにもしかしたら少し歯並びが悪くなるかもしれないな、と頭の片隅に置いといていただければ結構です。

 

3.歯並びが悪くなる原因と対策

歯並びが悪くなる原因として、遺伝的要因と環境的要因の二つが主にあげられます。

【遺伝的要因】

顎の形を含めた顔の骨格や歯の大きさなどが類似することによって歯並びも似た状態になることが多いと言われています。遺伝的に歯列不正の要因があるかどうかなども、矯正治療をするにあたって重要な情報の一つとなります。小児矯正であれば、成長予測の一つとして利用することがあります。

 

【7つの環境的要因】

舌の圧力や咀嚼の仕方、口呼吸などの生活習慣が歯並びに影響を与えることがあります。

主に以下の7つに分類されます。

①指しゃぶり

2〜3歳頃を目安に自然に消失することが好ましいでしょう。4歳を過ぎても継続している場合は、この時期になると理解もできるため、本人に伝えながらやめれることがベストです。

②唇をかむ、爪をかむ

咬唇癖、咬爪癖と言われるもので時期を問わず好ましくありません。噛んでいる部分の歯が傾いてしまうため、こういった行為は習慣付く前にやめるようにしましょう。

鼻呼吸と口呼吸

鼻呼吸がうまくできず口呼吸になると、口があいたままになるため口腔周囲のバランスが失われます。鼻呼吸がうまくできない場合は、意識的に鼻で呼吸をする練習をしたり、鼻づまりがある場合には耳鼻科を受診しましょう。

④姿勢が悪い

歯並びと姿勢は間接的に相互作用があると言われています。座っているときや立っている時も含めて、普段から正しい姿勢を保つように心がけましょう。

⑤頬杖、うつぶせ寝

顎の歪みや歯列の歪みを引き起こす可能性があります。できるだけ頬杖をつかないように意識すること、そして寝るときはできるだけ仰向けに寝やすいような環境を整えるようにしましょう。

⑥虫歯

虫歯になると噛み合わせが変わったり、歯の幅が変化することで歯並びに影響します。特に歯と歯の間の部分が虫歯になると後ろの歯が前に寄ってくることがありますので、特に注意が必要です。

⑦よく噛んでいない

日常的に硬いものをしっかり噛むことで顎の成長を促すことができると言われています。やわらかい食べ物の方が噛みやすくてお子様に好まれることが多いですが、やわらかいものでも丸呑みしないようにしっかりと咀嚼をすることが重要です。

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4.まとめ

 

乳歯の正常な歯列は意外に思われた方も多いでしょう。役立つこともあると思いますので、ぜひ必要なときには参考にしてください。

原因になる癖や習慣に関しては一つや二つは該当するものがあるでしょうか?最近では、花粉の影響などもあり、アレルギー性の鼻炎をもつお子様はかなり増加している印象をうけます。耳鼻科との連携で治療をすすめることの重要性もさらに感じている日々です。

上記で述べたように歯並びが悪くなる要因はたくさんあります。もしあったとしても徐々に一つずつ改善していければ問題ないでしょう。ご家庭で取り組む際も、無理のない程度で、できれば歯科医師に相談した上で取り組むことをオススメ致します。

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

監修者情報

2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業

2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了

2017年 日本矯正歯科学会認定医取得

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