BLOG ブログ
大人の矯正歯科コラム
大人の歯列矯正の期間は?短くするコツは?【比較表】
大人になってから歯列矯正を始める場合、大学の入学や卒業、入社、転勤や転職、子供の出産や育児など様々なライフスタイルの変化が伴い、治療の期間というのはとても重要な要素でしょう。
『歯列矯正は時間がかかるというけど、卒業するまでに終わるかな?』
『長い矯正の治療期間、我慢できるか心配』
矯正治療をしたい一方で、いざ治療するとなるといつまでかかるか不安だったり、その期間我慢できるか心配という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
こちらの記事は歯列矯正を考えていて実際に自分の治療期間の目安を知りたい人に向けての記事となっております。
今回は矯正治療にかかる期間を矯正の内容別でご紹介します。
【目次】
- 大人の歯列矯正の期間は?【比較表あり】
- なぜそんなに期間が長くなるの?
- 大人の歯列矯正の期間を短くするコツ
- おすすめの治療方法は?
- まとめ
1.大人の歯列矯正の期間は?【比較表あり】
基本的に全体の歯を矯正治療する場合は、目安が1〜3年。
前歯部だけの矯正治療であれば、目安は半年〜1年半となります。
ただし、抜歯するかしないかによってかなり期間は変わってきます。基本的に抜歯したスペースの閉鎖に半年〜1年程かかるため、その分期間が長くなることがほとんどです。
大前提として知っておいていただきたいことは、『同じ内容の治療でも人によって期間は異なる』ということです。
全く同じ歯並びの方はいないですし、骨の硬さや口腔周囲の環境も違いますので歯の動きやすさや期間には個人差が出てきます。平均的な期間を参考にしながら、種類別に歯列矯正の期間をお伝えしていきたいと思います。
現在一般的に行われている主な矯正治療の方法として以下の4つが挙げられます。
- ワイヤー矯正(ラビアル)
- ワイヤー矯正(リンガル)
- マウスピース矯正
- ワイヤー(部分矯正)
この4つにおいて治療期間やそれぞれの簡単な特徴の比較表はこちらです。
それぞれ期間には、やはり幅が生じてしまいます。全体としては、3年以内にはだいたいの矯正治療を終えれることが多いことがわかります。
2.なぜそんなに期間が長くなるの?
矯正治療は、歯に矯正力をかけることで歯の周囲に生じる生理的な反応を利用して歯を動かしています。
歯に力を過剰にかけすぎると、異常な反応が生じる可能性があるため、かける矯正力は制限されます。そのため、ゆっくりとしか歯を動かすことができず、結果的に矯正治療の期間が長くなってしまうということです。
歯はそもそも歯根膜という薄い膜で骨と結合しています。歯根膜は噛むときの衝撃が骨に直接伝わらないように吸収・緩和する役割をしており、噛むときの感覚(歯ごたえを感じるなど)が備わっている膜です。この膜は一定の厚みを維持しようとする働きがあり、押されたり引っ張られたりすることで以下のような反応を起こします。
上図のように歯が矢印の向きにおされると、右側は破骨細胞により骨が吸収され、左側は骨芽細胞により骨が添加されます。こうやって歯があたかも骨の中を移動しているように見えるのです。
3.大人の歯列矯正期間を短くするコツ
①虫歯にならないようにする
矯正治療中は、虫歯のリスクは何倍にもなると言われています。複雑な器具がお口の中にあったり、マウスピースをずっと使用しているため、汚れがたまりやすいのはもちろん、虫歯になりやすい環境を唾液や唇・舌の動きにより整える作用(自浄作用)が働きづらくなります。そのため、より一層毎日の歯磨きやメインテナンスを行うことが必要となります。
②装置に不具合があればすぐに連絡する
装置が外れてしまったり破損した場合は、その期間において同部の効果が得られなくなる可能性があります。一方で状態によっては影響がないこともあります。何かあった場合は、念のため部位と状況の変化を電話でもよいので通院している歯科医院に伝えるようにしましょう。
③マウスピースの場合は、指示通りに使用する
歯列矯正用のマウスピースは、1日20時間以上装着していただく必要があります。基本的には歯磨きとお食事の間以外は装着しておくことが推奨されています。
ワイヤー矯正の場合は、取り外すことができないため24時間力をかけることができますが、マウスピースに関しては容易に外すことができるため、逆に言うと”サボること”ができてしまいます。治療期間が想定より長くならないよう毎日指示通りに使用しましょう。
このように矯正治療がスムーズに進むように治療をしやすい状態に保つことや、装置を指示通りに上手に使用することが早く終わらせる近道となります。
4.おすすめの治療方法は?
矯正治療の相談を受ける際、『おすすめはどれですか?』という質問を受けることが多々あります。
当然、その際には歯の並び方や骨の状態からその方に一番適している治療方法をご提案しています。
最終的には、治療を受けられる方が”何を重視するか?”が一番のポイントになると私たちは考えています。
①
『見た目がどうしても気になる』
『矯正してるってあんまり気づかれたくない』
『取り外しができる装置が良い』
→マウスピース矯正
②
『めんどくさがりだから不安』
『見た目は気にならない』
『一番安心でしっかりした矯正をしたい」
→ワイヤー矯正
③
『前歯だけ治したい』
『手軽に短期間でキレイにしたい』
→前歯の部分矯正
いろんな説明を受けたが、どれにしたら良いか迷っていて決めきれないという方は、このように重視するポイントから選択されるのも良いのではないでしょうか?
5.まとめ
ここまでお読みいただいたあなたは、マウスピース派ですか?ワイヤー派ですか?
歯列矯正は非常に時間のかかる治療です。また、治療方法がたくさんあるため、迷われる方がほとんどという印象を受けます。みなさまのライフスタイルや何年か先を見据えて、どの治療方法にするかじっくりとお考えになることをおすすめします。
どの治療方法も良い治療であり、最近ではマウスピース矯正がかなり普及してきているように感じます。それぞれのメリットとデメリットを十分に理解して、矯正治療を始めましょう!
監修者情報
兵庫県尼崎市の歯医者
しげた歯科・矯正歯科
矯正医:重田 南
2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業
2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了
2017年 日本矯正歯科学会認定医取得