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小児矯正は何歳まで続くの?治療内容ごとの目安

こどもの矯正をするにあたって『いつまで治療を続けるのか?』は気になるところです。

特に小学生になると習い事や部活動、中学校進学のことなどいろいろ忙しい時期を迎えます。できれば矯正治療の開始時期や終了の時期を事前に把握しておきたいものですよね。

今回は、小児矯正に関してケース別に何歳まで治療をする必要があるのかを解説していきます。

【目次】

  1. 小児矯正は何歳まで続くの?治療内容ごとの目安
  2. 咬合誘導を早期に始めるケース
  3. Ⅰ期治療までのケース
  4. Ⅱ期治療までのケース
  5. まとめ

1.小児矯正は何歳まで続くの?治療内容ごとの目安

まず、小児矯正は3つの時期に大きく分類されます。

※個人差がありますので、年齢はあくまで目安となります。

小児矯正には

①咬合誘導(ここではⅠ期治療以前に必要な狭義の咬合誘導のことを意味します

②Ⅰ期治療

③Ⅱ期治療

の3つの時期が存在します。

①の咬合誘導は、早期に矯正治療が必要なお子様のみ行う場合があります

また歯や顎の分析結果次第ではⅠ期治療だけでは綺麗に並べることが難しい場合も多々あります。その際には小児期のうちにできることをⅠ期治療として行い、最初からⅡ期治療を想定して矯正治療をすすめていきます。

では、どのステージまで矯正治療を行うかでそれぞれ分類してみていきましょう。

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2.咬合誘導を早期に始めるケース

【咬合誘導とは】

成長過程にある子供において、その発育に伴う歯並び・顎の骨・噛み合わせの成長を妨げる要素を排除しながら正常な状態に誘導することです。

骨格的な歯列不正の要素が強く疑われる場合、6歳を迎える前に早めに矯正治療を行う場合があります。特に受け口傾向があるお子様においては早期に行うことが多いです。

また、歯牙同士の早期接触や悪習癖が強い場合なども適応となることがあります。

早期の咬合誘導はあくまでⅠ期治療以降を行う事前準備として行うため、ここで終了することはあまりありません。この時期の矯正治療にて気になる部分が解消され、その状態で納得された場合のみ終了することがあります。その場合は、6歳前後で矯正治療が終了となり経過観察となります。

 

3. I期治療までのケース

Ⅰ期治療とは、主に6歳以降に混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行う矯正治療のことです。萌出してくる永久歯がうまく並ぶように成長する顎骨の発育をコントロールすることを目的としています。

基本的には上下の前歯が4本ずつ揃った時期に始めることが多いです。

 

【Ⅰ期治療で終了するケース】

小児期の矯正治療後に永久歯が全て萌出した状態で、審美的・機能的な面をご本人およびご両親が問題ないと判断される場合です。

永久歯が全て萌出し、顎の成長がある程度終了した時点で保定期間に移行します。永久歯の一番奥の大臼歯(親知らずは含まない)は12歳臼歯と呼ばれ、文字の通り12歳頃に萌出します。

つまり、Ⅰ期治療で終了する場合は12歳過ぎを目安に治療が終了となります。歯の生え変わりは個人差がありますので、歯科医師が歯の萌出時期や顎の成長曲線を確認した上での判断となります。

 

ここまで説明をお聞きになられた後、、、

『ということは6年ぐらい矯正治療をするんですか!?』という質問をよくいただきます。

もちろん経過はその期間ずっと追っていきます。しかし、装置をつけている期間や訓練を行う期間は短い期間のみです。例えば、もっとも一般的な装置であれば装着期間は半年ぐらいです。ですので見守る期間は長いものの、治療に取り組む時間はそこまで長くありませんので安心して治療を受けていただければと思います。

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3.Ⅱ期治療までのケース

Ⅱ期治療とは永久歯が生え揃ってからの矯正治療のことで、いわゆる大人の矯正治療と同じです。小児期に矯正治療を始めている場合は、それぞれを分類するためにⅠ期治療・Ⅱ期治療と呼ばれます。

審美的あるいは機能的にもしっかりと改善が見込め、Ⅰ期治療終了時よりも理想的な歯並びに近づけることが可能となります。治療期間はおおよそ2〜3年半であることが多く、歯並びや骨格の状態により多少の治療期間が異なります。

【Ⅱ期治療後は必ず矯正治療が終了となる】

Ⅰ期治療からの流れでⅡ期治療をした場合には、15〜18歳頃が治療終了の目安となるでしょう。

骨格の成長が終了する時期などをレントゲンなどから分析し、同時期に向けて矯正治療の終了時期を定めます。

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4.まとめ

矯正治療を行う場合、まずはⅠ期治療で終われるケースなのか、Ⅱ期治療まで必要になるケースなのかをある程度診断してもらうことが重要です。

骨格の成長とともに理想的な噛み合わせや歯並びを作り上げていくのが小児矯正の特徴であり、一番のメリットです。そのため、成長の度合いを観察しながら治療を行なっていく必要があるため、どうしても治療期間は予測でしかお答えすることができません

習い事や受験など、様々なイベントやそれに向けた準備期間があると思います。そういったことを考慮しながら矯正治療を一時的にストップしたり、通院回数を減らすことなどは可能です。そういった不安がある方は、遠慮なくご相談いただければと思います。

監修者情報

2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業

2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了

2017年 日本矯正歯科学会認定医取得

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