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大人の矯正歯科コラム
矯正歯科を途中で変える【失敗しない転院の方法】
『矯正治療を始めたものの急に転勤が決まってしまった』
『生活が変化してしまい、曜日の都合が合わなくなった』
『先生と何だかうまくいかない。不満がある』
など
いざ矯正治療を始めたものの、このように通院が難しくなるケースはよくあります。
その際、別の歯科医院に治療の続きをお願いしたいと考える方も多いでしょう。
こちらの記事では、矯正治療中の転院でどの矯正歯科を選ぶべきか、そして転院する際はどのような流れや費用になるのかについてご紹介します。
【目次】
- 矯正歯科を途中で変える【失敗しない転院の方法】
- 転院までの流れ
- 転院費用の目安
- まとめ
1.矯正歯科を途中で変える【失敗しない転院の方法】
【担当の先生とうまくいかない場合】
今通院している先生や歯科医院に不満や不信感がある場合も転院を検討されることがあると思います。
そんなときは、まずセカンドオピニオンを求めることをオススメします。
※セカンドオピニオンとは、現在治療を受けている担当医以外に、現状の治療状況や今後の治療方針について意見を求めることあるいはその意見のことです。
最近ではセカンドオピニオンを求めることや、治療前の段階から受けたい治療に対して複数件相談に行くことが多くなってきている印象を受けます。
特にインプラント治療や矯正治療など、高額な費用のかかる治療や手術など体に多く負担のかかる治療においては検討される方も多いかと思います。
ただし、セカンドオピニオンに関しては一旦治療が進められている状態で意見を求めるため、別途費用がかかることが多いです。
担当医以外の先生に意見を聞くことで安心したり、治療方針に納得できるようであれば元の歯科医院で治療を継続する方が良いでしょう。
セカンドオピニオンを聞いた上でも不満や不信感が拭い去れない場合は、やはり転院を検討されると思います。
その際はセカンドオピニオンを受けた歯科医院で転院を希望する形がスムーズです。
しかし、不満や不信感による転院を全ての歯科医院で受け入れてくれるわけではありません。このような状況を理解し、転院を引き受けてもらえる場所をご自身で探し出すことがまず必要となります。
【お引越しの場合】
そのまま元の医院に通い続けることも場合によっては検討されることでしょう。
お引越しをされた場合、少し離れた場所でも定期的に元の歯科医院に通院できるようであれば通いつづけることをオススメします。
なぜならせっかく選んだ歯科医院・先生ですので、多少遠くても通いつづける価値はあると私は考えるからです。しかし、様々なメリットやデメリットがあるためそれらを考慮した上で検討すると良いでしょう。
それでは転院におけるメリットとデメリットをみていきましょう。
(元の医院に通う3つのメリット)
信頼をおける先生に引き続きみてもらえる
治療方針に変更がない
追加の矯正費用がかからない
(元の医院に通う3つのデメリット)
交通費がかかる
通院の時間がかかる
痛みが出たり、装置が外れたりなど緊急時の通院が大変
中でも通院の費用の問題は一番ネックになるでしょう。
交通費が毎回多くかかるようであれば、治療終了までかかる交通費と転院費用を比較してみても良いかもしれません。
(転院先の失敗しない選び方)
①元の担当医に紹介してもらう
信頼できる担当医であれば、引越し先に紹介できる先生がいないか尋ねてみても良いかもしれません。
歯科医師の場合、知り合いの先生が他府県にいることも多く意外とスムーズに転院がすすむこともあります。
先生の紹介であれば安心して転院できるでしょう。
また、治療方針の考え方も似たような先生を紹介してもらえることも多く、治療内容や転院費用に関しても柔軟に対応してもらえることがあるため一番オススメと言えます。
②引越し先の知り合いに紹介してもらう
これから引越しする先にご自身のお知り合いがいれば、その方を通じて良い矯正歯科がないか聞いてみてもよいでしょう。
実際にその土地に住んでいる方の情報は信頼性が高く、知り合いの紹介であればより安心感がありますよね。ただし矯正治療に関しては一からの相談となるため、転院が可能かどうかから相談が必要となります。
③自分で調べて相談に行く
webやSNSを通じて矯正歯科を調べ、転院の相談をすることも当然可能です。
しかし最初から矯正相談を受ける状態と同じであり、転院のためスムーズにいかないことも多いかもしれません。
2.転院までの流れ
では、実際に転院となるとどういった流れで転院の手続きを行うか、またその流れについて解説します。
①通院中の歯科医院に転院したい旨を伝える
前もって転院の理由や転院したいということを伝えるようにしましょう。お引越しであれば医院側も問題なく対応してくれるでしょう。
お引越しの時期に合わせて矯正治療を一時ストップし、医院側が転院資料を作成してくれます。転院資料をもらうには作成費用がかかることが多いです。
(転院資料とは)
- 紹介状
- 診断結果と治療計画
- 治療経過
- 初診時や現在の写真・レントゲン資料
- 治療費および返金費用に関する資料 etc
医院によって様式や内容は異なりますが代表的な例は上記のようなもので、このような資料を医院側で用意してもらえます。
ここからが一番気になる『返金』の対応です。
正直に申し上げて、返金の金額に関しては特に決まりはありません。なぜなら矯正治療は一部適応症例を除いて自費診療となるため、返金に関しても医院側の判断で決定されます。
目安となるのは予定していた矯正期間の何割まで終了しているかとなりますが、経験上ほとんど返金がないことも多く、あまり期待はできないでしょう。
②資料を持って転院先へ相談
資料をもらったら、それを持って転院先の候補となるところへ転院の相談に行きます。
まずは資料をみてもらい、簡単に検査をして転院が可能かなどカウンセリングします。
(相談時のポイント)
- 転院が可能かどうか
- 先生と医院が自分に合うかどうか
- 矯正費用はおおよそどれぐらいか
- 今後治療をする場合に大きく治療計画が変更ないか
これらの条件で納得いけるようであれば、いざ転院の準備となります。
③検査、再診断および最終カウンセリング
転院先にて再度精密な検査を行い、現状にて再診断を行なってもらいます。
それに伴い治療計画を立ててもらい、もう一度最終のカウンセリングとなります。
双方同意を得られれば矯正治療開始となり、転院の完了となります。
3.転院費用の目安
転院の際にかかる費用は以下のようなものがあります。
- 転院資料の作成費
- 転院先での矯正相談費用
- 転院先での矯正治療費
1、2は歯科医院によりますが、だいたい数千円程度のところが多いです。
3の追加でかかる矯正治療費が一番大きい額であり、みなさんも一番気にされるところでしょう。
では、どのように計算されるかについてみていきましょう。
(転院先での矯正治療費の判断基準)
- 前医院で治療がどれだけ進んでいるか
- 医院での費用および返金額
- これからどれだけ治療期間や装置が必要か
- マウスピースやワイヤーなど治療メニューの選択
治療が何%進んでいるかが目安にはなりますが、あくまでも治療期間だけで単純に計算できるようなものではありません。
例)相談先の矯正治療費が100万円とする
治療予定期間が2年で、既に1年治療済みであれば、、、
100万円×1/2=50万円
これを一つの目安とします。これが最低ラインと考えても良いかもしれませんね。
また、以前の医院の治療計画を全くそのまま継続することはありませんので、検査や診断費用等は必ずといって良いほどもう一度負担が必要になります。
4.まとめ
転院を余儀なくされた方や転院をお考えの方は転院することに多くの不安を感じることでしょう。
転院費用の問題や新しい先生やスタッフさんはどんな人かなど、いろいろと気になりますよね。
費用に関しては、各歯科医院が決定するもので特に規定はありませんので相談してみないことにはわからないことが多いものです。
- 転院の費用
- 先生やスタッフさんの雰囲気や信頼度
- 前医院の矯正治療経過への理解
- 通院のしやすさ
こういったことを検討しながら、じっくり転院先を決めてみてください。
金銭的なことに目が行きがちですが、あくまで矯正治療の成功が目的ですので信頼できる先生にお願いすることが最も安心そして最善の選択かもしれません。
転院にあたりぜひこちらの記事を参考にしていただければ幸いです。
監修者情報
兵庫県尼崎市の歯医者
しげた歯科・矯正歯科
矯正医:重田 南
2011年 徳島大学歯学部歯学科卒業
2016年 徳島大学大学院 口腔顎顔面矯正学分野 博士課程修了
2017年 日本矯正歯科学会認定医取得